※ここに記載している問題の解答はあくまで一例です。
数学では様々なアプローチで問題を解くことができますので、
この解き方のみが正ということはありません。
問題1
\(\sqrt{n\sqrt{n\sqrt{n\sqrt{n\cdots}}}} (n>0)\)を簡単にせよ
解答
\(\sqrt{n\sqrt{n\sqrt{n\sqrt{n\cdots}}}}=t\)と置くと、
無限に続いているため、\(与式=\sqrt{nt}\)とすることができる
よって、\(与式=t=\sqrt{nt}\)
両辺2乗して
\(t^{2}=nt\\
t(t-n)=0
\require{AMSsymbols}
\therefore t=0,n\)
ただし、\(n>0\)より、
\(t=0\)は不適
\(\require{AMSsymbols}
\therefore 与式=t=n\)
問題2
\(\sqrt{n+\sqrt{n+\sqrt{n+\sqrt{n…}}}} (n>0)\)を簡単にせよ
解答
\(\sqrt{n+\sqrt{n+\sqrt{n+\sqrt{n…}}}}=t\)と置くと、
無限に続いているため、\(与式=\sqrt{n+t}\)とすることができる
よって、\(与式=t=\sqrt{n+t}\)
両辺2乗して
\(t^{2}=n+t\\
t^{2}-t-n=0\\
\require{AMSmath}\require{AMSsymbols}
t=\dfrac{1\pm\sqrt{1+4n}}{2}
\)
ただし、\(n>0\)より、
\(\sqrt{1+4n}>1から\\
\require{AMSmath}\require{AMSsymbols}
t=\dfrac{1-\sqrt{1+4n}}{2}
\)は負値のため不適
\(\require{AMSsymbols}
\therefore 与式=t=\dfrac{1+\sqrt{1+4n}}{2}\)
問題3
\(\require{AMSmath}
a+\dfrac{1}{a}=-1\)のとき、
\(3a^{5}+2a^{4}-a^{3}+a^{2}+2a+4\)の値を求めよ
解答
\(\require{AMSmath}
a+\dfrac{1}{a}=-1\)
両辺にaをかけて整理すると
\(a^{2}+a+1=0\cdots①\)
両辺に-1をかけて整理すると
\(a^{3}=1\)
よって、
\(3a^{5}+2a^{4}-a^{3}+a^{2}+2a+4\\
=3a^{2}+2a-1+a^{2}+2a+4\\
=4a^{2}+4a+3\)
ここで、
①より
\(a^{2}=-a-1\)
よって、
\(4a^{2}+4a+3=4(-a-1)+4a+3\\
=-4+3=-1\)
\(\therefore 与式=-1\)
問題4
\(23^{2023}\)を\(18\)で割った余りを求めよ
解答
以下すべて\(\mod18\)とする
\(23\equiv5\\
23^{2}\equiv5^2=25\equiv7\\
23^{3}=23^{2}\times23\equiv5\times7=35\equiv-1\\
23^{6}\equiv(23^{3})^{2}\equiv(-1)^{2}=1\)
ここで、
\(2023=2022+1=6*337+1\)
より、
\(23^{2023}=(23^{6})^337\times23\equiv1^{337}\times23=23\equiv5\)
問題5
\(x^{11}+x^{10}+x^{9}+x^{8}+x^{7}+x^{6}+x^{5}+x^{4}+x^{3}+x^{2}+x+1=0\)を実数の範囲で因数分解し、解を求めよ
解答
与式に\((x-1)\)を掛けると、
\(x^{12}-1=0\\
(x^{6})^{2}-1^{2}=0\\
(x^{6}-1)(x^{6}+1)=0\\
\{(x^{3})^{2}-1^{2}\}(x^{6}+1)=0\\
(x^{3}-1)(x^{3}+1)(x^6+1)=0\\
(x-1)(x^{2}+x+1)(x+1)(x^{2}-x+1)(x^6+1)=0\\
(x-1)(x^{2}+x+1)(x+1)(x^{2}-x+1)\{(x^{2})^{3}+1^{3}\}=0\\
(x-1)(x^{2}+x+1)(x+1)(x^{2}-x+1)(x^{2}+1)(x^{4}-x^{2}+1)=0\\
(x-1)(x^{2}+x+1)(x+1)(x^{2}-x+1)(x^{2}+1)\{(x^{2})^{2}+1^{2}-x^{2}\}=0\\
(x-1)(x^{2}+x+1)(x+1)(x^{2}-x+1)(x^{2}+1)\{(x^{2}+1)^{2}-2x^{2}-x^{2}\}=0\\
(x-1)(x^{2}+x+1)(x+1)(x^{2}-x+1)(x^{2}+1)\{(x^{2}+1)^{2}-3x^{2}\}=0\\
(x-1)(x^{2}+x+1)(x+1)(x^{2}-x+1)(x^{2}+1)(x^{2}+\sqrt{3}x+1)(x^{2}-\sqrt{3}x+1)=0\)
ただし最初に(x-1)を掛けているため(x-1)は除外
\(
\require{AMSsymbols}
\therefore 与式=(x+1)(x^{2}+1)(x^{2}+x+1)(x^{2}-x+1)(x^{2}+\sqrt{3}x+1)(x^{2}-\sqrt{3}x+1)
\)
各項を解くと
\(\require{AMSsymbols}
\therefore x=-1,\pm i,\dfrac{-1\pm \sqrt{3}i}{2},\dfrac{1\pm \sqrt{3}i}{2},\dfrac{-\sqrt{3}\pm i}{2},\dfrac{\sqrt{3}\pm i}{2}
\)
問題6
任意の整数の各桁の和が9の倍数のとき、その整数自身も9の倍数となることを示せ
解答
任意の整数を\(\alpha\)とすると、
\(
\alpha=10^{n}a_{n}+10^{n-1}a_{n-1}+\cdots+10a_{1}+a_{0}
\)
と書くことができる。
ここで、各項1つ減らすと、
\(\alpha=(10^{n}-1)a_{n}+(10^{n-1}-1)a_{n-1}+\cdots+(10-1)a_{1}+a_{n}+a_{n-1}+\cdots+a_{1}+a_{0}\\
=\underbrace{999\cdots9}_{n個}a_{n}+\underbrace{999\cdots9}_{n-1個}a_{n-1}+\cdots+9+a_{n}+a_{n-1}+\cdots+a_{1}+a_{0}\\
\)
ここで、
\(
\underbrace{999\cdots9}_{n個}a_{n}+\underbrace{999\cdots9}_{n-1個}a_{n-1}+\cdots+9
\)
は9の倍数であり、
各桁の和が9の倍数より、
\(a_{n}+a_{n-1}+\cdots+a_{1}+a_{0}\)
も9の倍数となるので、
題意は示された。
問題7
任意の\(5\)の倍数でない奇数は、\(1,11,111,1111,\cdots\)と\(1\)が連続する数のうちいずれかの約数となる(何倍かすれば必ず\(1\)が連続する数となる)ことを示せ
解答
任意の\(5\)の倍数でない奇数を\(n\)と置く\(\cdots\)①
\(1,11,111,1111,\cdots\underbrace{111\cdots1}_{n個}\)
について、各項を\(n\)で割った余りは最大で\(n\)個存在する
ここで、
\(1,11,111,1111,\cdots\underbrace{111\cdots1}_{n個},\underbrace{1111\cdots1}_{n+1個}\)
について同様に\(n\)で割った余りを考えると、
余りが同じ組が必ず1つ存在するので、
\(1,11,111,1111,\cdots\underbrace{111\cdots1}_{m個}\)
には\(n\)で割った余りが同じ組が1つは存在することが示せた
余りが同じ組をそれぞれ\(\alpha,\beta(\alpha>\beta)\)とすると、以下のように表せる
\(\alpha=111\cdots1=an+r\\
\beta=11\cdots1=bn+r\)
\(\alpha-\beta\)を求めると、
\(111\cdots10\cdots0=(a+b)n\\
111\cdots1\times10\cdots0=(a+b)n\\
111\cdots1\times2^{p}\times5^{p}=(a+b)n\)
①よりnは2と5とは互いに素であるので、
\(111\cdots1\)はnを約数に持つ
ゆえに題意は示された。
問題8
\(tan^{2}\theta sin^{2}\theta=tan^{2}\theta-sin^{2}\theta\)
であることを証明せよ
解答
\(tan\theta=\dfrac{sin\theta}{cos\theta}より\\
tan^{2}\theta sin^{2}\theta=\dfrac{sin^{2}\theta}{cos^{2}\theta}sin^{2}\theta\\
sin^{2}\theta=1-cos^{2}\thetaより\\
\dfrac{sin^{2}\theta}{cos^{2}\theta}sin^{2}\theta=\dfrac{1-cos^{2}\theta}{cos^{2}\theta}sin^{2}\theta\\
=(\dfrac{1}{cos^{2}\theta}-1)sin^{2}\theta\\
=\dfrac{sin^{2}\theta}{cos^{2}\theta}-sin^{2}\theta
=tan^{2}\theta-sin^{2}\theta\)
よって題意は示された。
問題9
\((2023^{2024})^{2025}を29\)で割った余りを求めよ
解答
\(2023と29\)は互いに素であり、\(29\)は素数
よって、フェルマーの小定理から
\(\require{AMSmath}2023^{28}\equiv 1 (mod 29) \\
与式=2023^{2024*2025}より\\
2024*2025\equiv 16 (mod 28)\\
以降の式は(mod 29)\\
与式\equiv 2023^{16}\\
2023\equiv22より\\
与式\equiv22^{16}\\
\equiv484^{8}\\
\equiv20^{8}\\
\equiv400^{4}\\
\equiv23^{4}\\
\equiv529^{2}\\
\equiv7^{2}\\
\equiv49\\
\equiv20
\)
問題10
\(2x^{4}+5x^{3}+7x^{2}+5x+2=0\)を解け
解答
両辺を\(x^{2}\)で割る
\(2x^{2}+5x+7+\dfrac{5}{x}+\dfrac{2}{x^{2}}\\
=2(x^{2}+\dfrac{1}{x^{2}})+5(x+\dfrac{1}{x})+7\\
x^{2}+\dfrac{1}{x^{2}}=(x+\dfrac{1}{x})^{2}-2より\\
与式=2(x+\dfrac{1}{x})^{2}+5(x+\dfrac{1}{x})+3\\
ここで、x+\dfrac{1}{x}=tと置くと、
=2t^{2}+5t+3
=(2t+3)(t+1)\\
\require{AMSsymbols}
\therefore t=\dfrac{1}{2},-3\\
tを元に戻して\\
x+\dfrac{1}{x}=-\dfrac{3}{2}\\
x+\dfrac{1}{x}=-1\\
式変形して\\
2x^{2}+3x+2=0\\
x^{2}+x+1=0\\
それぞれの式を解いて\\
\therefore x=\dfrac{-1\pm\sqrt{3}i}{2},\dfrac{-1\pm\sqrt{7}i}{4}\)
問題11
\(\sqrt{\dfrac{n}{\sqrt{\dfrac{n}{\sqrt{\dfrac{n}{\sqrt{\dfrac{n}{\vdots}}}}}}}} (n>0)\)を簡単にせよ
解答
\(与式=t\)と置くと、
無限に続いているため、
\(\sqrt{\dfrac{n}{t}}=t\)
とすることができる
両辺2乗して
\(\dfrac{n}{t}=t^{2} \\
n=t^{3} \\
t^{3}-n=0\\
(t-\sqrt[3]{n})(t^{2}+\sqrt[3]{n}t+n^{2/3})\\
(t^{2}+\sqrt[3]{n}t+n^{2/3})の判別式Dは\\
D=-3n^{2/3}<0\\
よりn>0から解なし\\
よって\\
t-\sqrt[3]{n}=0\\
\require{AMSsymbols}
\therefore t=\sqrt[3]{n}
\)
問題12
\(Z^{2}=i\)を解け
解答
\(Z=\pm\sqrt{i}\\
ここで、\\
\sqrt{i}=a+bi\\
と置く\\
(a,b\in\mathbb{R})\cdots①\\
両辺状2乗して、\\
i=a^{2}-b^{2}+2abi\\
実部と虚部の係数比較より\\
2ab=1\cdots②\\
a^{2}-b^{2}=0\cdots③\\
②より\\
a=\dfrac{1}{2b}\\
③に代入して\\
\dfrac{1}{4b^{2}}-b^{2}=0\\
1-4b^{4}=0\\
b^{4}=\dfrac{1}{4}\\
b^{2}=\pm\dfrac{1}{2}\\
ここで、①より\\
b^{2}=-\dfrac{1}{2}は解に虚部が含まれるので不適\\
b^{2}=\dfrac{1}{2}\\
b=\pm\dfrac{\sqrt{2}}{2}\\
③より\\
a=\pm\dfrac{\sqrt{2}}{2}\\
\require{AMSsymbols}
\therefore\sqrt{i}=\pm\dfrac{\sqrt{2}}{2}\pm\dfrac{\sqrt{2}}{2}i\\
\therefore Z=\pm\dfrac{\sqrt{2}}{2}\pm\dfrac{\sqrt{2}}{2}i
\)
問題13
\(x^{3}-2x^{2}+x-1=0の3つの解を\alpha、\beta、\gammaとしたとき、 \\
\alpha^{5}+\beta^{5}+\gamma^{5}と\alpha^{-5}+\beta^{-5}+\gamma^{-5} \\
の値を求めよ
\)
解答
\(
\alpha、\beta、\gammaは解であるので、与式に代入しても成り立つ\\
与式に\alphaを代入し、\\
\alpha^{3}-2\alpha^{2}+\alpha-1=0\\
両辺に\alpha^{n}を掛けて\\
\alpha^{n+3}-2\alpha^{n+2}+\alpha^{n+1}-\alpha^{n}=0\cdots①\\
\beta、\gammaも同様にして\\
\beta^{n+3}-2\beta^{n+2}+\beta^{n+1}-\beta^{n}=0\cdots②\\
\gamma^{n+3}-2\gamma^{n+2}+\gamma^{n+1}-\gamma^{n}=0\cdots③\\
①+②+③\\
\alpha^{n+3}+\beta^{n+3}+\gamma^{n+3}-2(\alpha^{n+2}+\beta^{n+2}+\gamma^{n+2})+\alpha^{n+1}+\beta^{n+1}+\gamma^{n+1}-(\alpha^{n}+\beta^{n}+\gamma^{n})=0\cdots④\\
A_n=\alpha^{n}+\beta^{n}+\gamma^{n}\\
と置くと、\\
④は\\
A_{n+3}-2A_{n+2}+A_{n+1}-A_n=0\\
となり、\\
A_{n+3}=2A_{n+2}-A_{n+1}+A_n\cdots⑤\\
A_n=A_{n+3}-2A_{n+2}+A_{n+1}\cdots⑥\\
となる\\
A_0=\alpha^{0}+\beta^{0}+\gamma^{0}=1+1+1=3\\
解と係数の関係より、\\
\alpha+\beta+\gamma=A_1=2\\
\alpha\beta+\beta\gamma+\alpha\gamma=1\\
\alpha\beta\gamma=1\\
A_2=(\alpha+\beta+\gamma)^{2}-2(\alpha\beta+\beta\gamma+\alpha\gamma)=4-2=2\\
⑤より\\
A_3=2A_2-A_1+A_0=4-2+3=5\\
A_4=10-2+2=10\\
\therefore A_5=\alpha^{5}+\beta^{5}+\gamma^{5}=20-5+2=17\\
⑥より\\
A_{-1}=A_2-2A_1+A_0=2-4+3=1\\
A_{-2}=2-6+1=-3\\
A_{-3}=3-2-3=-2\\
A_{-4}=1+6-2=5\\
\therefore A_{-5}=\alpha^{-5}+\beta^{-5}+\gamma^{-5}=-3+4+5=6
\)
問題14
\(nを正の整数とする。4^{n}-1が3で割り切れることを示せ\)
解答
解法が多数存在するので、記載できるだけ記載する
解法1
\(4\equiv1 (mod 3)より\\
4^{n}-1\equiv1^{n}-1=1-1=0 (mod 3)\\
よって題意は示された
\)
解法2
\(n=0の時、4^{0}-1=1-1=0で題意を満たす\\
n=1の時、4^{1}-1=4-1=3で題意を満たす\\
n=kにおいて、\\
題意を満たすと仮定したとき、すなわち\\
4^{k}-1=3m (mは任意の正の整数)としたとき、\\
n=k+1の場合\\
4^{k}=3m+1\\
4^{k+1}-1=4*4^{k}-1\\
=4*(3m+1)-1\\
=12m+4-1\\
=12m+3\\
=3(4m+1)\\
よって題意は示された
\)
解法3
\(
4^{n}-1=(2^{n}+1)(2^{n}-1)\\
ここで、2^{n}-1、2^{n}、2^{n}+1の連続3数を考えると、\\
3数の内いずれかは3の倍数となる\\
ただし、2^{n}は3の倍数ではないので、\\
2^{n}-1、2^{n}+1のどちらかが3の倍数となる\\
よって題意は示された
\)
解法4
\(
4^{n}-1=(2^{n}+1)(2^{n}-1)\\
2\equiv-1 (mod 3)より\\
n=奇数の時、\\
2^{n}+1\equiv-1+1=0\\
n=偶数の時、\\
2^{n}-1\equiv1-1=0\\
よって、任意の正の整数nは3の倍数であることが示された
\)
解法5
\(
初項1、公比4の等比数列の和S_{n}を考える\\
S_{n}=1*(1-4^{n})/(1-4)\\
=(4^{n}-1)/(4-1)\\
=(4^{n}-1)/3\\
よって、4^{n}-1=3S_{n}\\
ゆえに題意は示された
\)
解法6
\(
x^{n}-1=(x-1)(x^{n-1}+x^{n-2}+…+x^{2}+x+1)より\\
x^{n}-1は(x-1)を因数に持つ\\
x=4の時を考えると、\\
4^{n}-1は4-1=3を因数に持つ\\
よって題意は示された
\)
解法7
\(
4=3+1\\
4^{n}=(3+1)^{n}\\
二項展開すると\\
=3(~)+1
よって、
4^{n}-1=3(~)
ゆえに題意は示された
\)